HipHopにもちょいちょい飽きが来てしまい、最近はJazzGuitarをちょいちょい聴いていて、でもこの辺りはJazzが好きな人でもちゃんと聴くのは少数派である。「そもそもJazzにGuitarっていらないよね」みたいに思われな楽器でもあるし。


Pat Martinoの「We'll Be Together Again」。Pat MartinoがGuitarで、Gil Goldsteinという人がElectric Pianoで、この二人だけの完全デュオアルバムである。1976年のアルバムで、補足として、Martinoは1980年に脳腫瘍の手術を受け、記憶を失ってしまうのだが、これはまだその出来事が起こる前の録音。このアルバムは、一度出会ってしまったが最後。今ではとても大切な一枚になっている。


プレイヤーは二人ともJazzの人間だし、扱っている曲もJazzのスタンダードなんだけど、このアルバムからはあまりBluesをルーツとするJazz的なイデオロギーを(少なくとも僕は)感じることが少ない。そして、デュオの時って、プレイヤーが少ない分、一人ひとりの演奏における負担が増えて、それに伴って音数も多くなることが多いのだけれど、この二人は全くその逆。例えばエレピのバッキング。サステインを思いっきり延ばして、音数はとても少ない。二人とも、和声的にも、旋律的にも、Jazzをイメージさせる響きや歌い回しをほとんど引用せず、極端なまでに、シンプルに曲を、旋律を聴かせる。


あまり有名なアルバムではないけれど、いつでも聴けるし、いつまでも聴き続けられる、とても、とても、特別なアルバムです。


We'll Be Together Again

We'll Be Together Again